
導入(話題性・数字を交えて)
2025年9月、ユニクロが法人・団体向けのサービス「UNIQLO UNIFORM」を大きく拡充し、学校の制服や企業のユニフォーム利用が「2026年8月期までに2万件を超える見通し」と発表しました。
加えて、猛暑・気候変動の影響で「動きやすく」「機能性の高い」制服需要が高まっており、その追い風を受けてユニクロ側の本格展開が注目されています。
つまり、制服=オーダーメイドか仕立てか…という従来の常識が、ユニクロというファストファッション大手の参入で「既製品+選択肢あり」という風に変化しつつあるのです。

概要
ユニクロが制服・ユニフォーム参入へ
ユニクロを展開する 株式会社ユニクロ(以下:ユニクロ)は、法人・団体向けの「UNIFORM」事業を拡大しています。2025年9月2日のプレスリリースによれば、2026年8月期までに国内で学校・企業・スポーツチームなど2万件の導入件数を見込んでいるとのこと。
このサービスの特長は、ユニクロの「定番商品」ラインから選び、企業や学校のユニフォーム・制服として活用できる点。つまり、専用に新たに作るのではなく、既存商品をベースにして数を揃えたり加工(社名刺繍・ロゴ入れ)したりできるというもの。
こうした仕組みが、「安く」「早く」「機能的」に制服・ユニフォームを揃えたいニーズと合致しており、学校・企業側からの問い合わせ・導入が増加しています。
なぜ今、制服を変える動きが出ているのか
背景にはいくつかの要因があります。
- 働き方・学び方の多様化:オフィス・学校・活動の境界が曖昧になってきており、「働く」「学ぶ」「活動する」場で着る服の機能性(涼しい・暖かい・動きやすい・手入れ簡単)が重視されています。
- 学校制服のコスト・負担:例えば、ある高校ではユニクロの制服導入で「上下揃えて従来の3分の1程度」になったという報道もあります。
- 気候変動/猛暑対策:学校のハーフパンツ・無印・ユニクロ採用といった動きも2025年に報じられています。
以上の流れが、「制服=選択肢を少なく強制するもの」から「着る人・団体が選べる・変えられるもの」へと変化しつつある点が、今回のユニクロの動きの核心です。
特徴 :ユニクロ制服/ユニフォーム採用の“ここが違う”
1. 既製商品の活用と加工選択の手軽さ
ユニクロの通常商品の中から選び、必要に応じて社名・学校名などを刺繍やプリント加工できます。納期も「加工なし」で最短3日」と明記されています。
また、サイズ展開が豊富(例:XS〜4XL)で、ジェンダーレス・体型差・成長期にも配慮されています。

2. 機能性+デザイン+価格のバランス
・「涼しい」「暖かい」「動きやすい」「手入れが簡単」といった機能を持つアイテムがラインアップ
・デザインはシンプルながらも「色・柄のバリエーション」も用意し、制服・ユニフォームとしての選びやすさを追求。
・価格面でも、「大量でまとめて揃える」団体ニーズに対応できる価格帯。学校・企業から「コストを抑えたい」という声が多い中、この点が支持を集めています。
3. 学校・企業だけでなく地域/スポーツ活動にも広がり
学校の制服だけでなく、企業の作業着・接客ユニフォーム・スポーツチームのユニフォーム・地域活動など多様な利用シーンを想定。
たとえば、スポーツチームの「ドライEXポロシャツ」使用例もプレスリリースに掲載されていました。
裏話 :制服市場に起こる“構造シフト”
従来の制服業界の壁とユニクロ参入のインパクト
制服市場はこれまで「学校指定の制服屋」「オーダーメイド」の枠が強く、納期・価格・体形対応・取り扱いアイテム数などでハードルがありました。
しかし、ユニクロの参入によって「既製品をベースに」「即納可能」「低価格」での採用が可能となり、従来の業界構造に変化が生まれています。記者会見でユニクロ側も「既製品をベースにしたセミカスタマイズの発想で、ユニフォーム市場以上の拡がりも期待できる」と語っています。
学校・生徒側の声と課題
学校では、男子・女子の制服区分を見直すジェンダーレス化、生徒の成長に合わせたサイズの変更希望、そしてコスト削減の要望が顕在化していました。例として、埼玉県の公立高校では「女子スラックス希望」からユニクロ制服導入が検討されました。
ただし、導入から半年で「3年間のスパンでのコスト比較」「既製品ゆえのサイズ・印象・仕様の課題」も指摘されています。
つまり、「安く、早く」揃えられる反面、個別のカスタム性・学校のブランド・伝統性といった要素をどう共存させるかが課題です。
企業・学校にとっての戦略的意味
ユニクロの動きは、アパレルとしてBtoCモデルに加え、BtoB・学校・団体向けの市場開拓を意味しています。ファーストリテイリンググループ上席役員も「比較的早期に中核事業の一つにしたい」とコメント。
学校・企業側にとっては、「制服という固定費」「制服を揃える苦労」が軽減される可能性があり、これまで手が出しづらかった団体でも簡易に揃えやすくなっています。
SNSの声
「全然、UNIQLOでいいんじゃない?! 成長期の子供たちにとって制服も消耗品。動きやすくて機能性も高いUNIQLOは大賛成。」(Twitterより)
「制服までユニクロの時代が来来“ダサくない”だけじゃない。“選ばれる理由”とは」— ツイート引用(スクリーンショット元)
SNS上でも、ユニクロ制服への反応は少なくありません。利便性・コスト面を評価する声が多い一方で、
- 「制服=学校らしさ・伝統」が失われるのでは?
- サイズ・個別の調整はどうなのか?
- 制服屋さんの仕事はどうなる?
といった懸念も散見されます。

「自分の体型や好みに合わせて色・パンツ・スカートが選べた」― 導入校生徒コメントより。@DIME アットダイム
しかし、独自カラー・学校章・ブレザー仕様など既存制服の“象徴性”をどう保つか、という声も上がっており、単に安くするだけではない“バランス”が鍵となりそうです。
まとめ
制服・ユニフォーム市場において、ユニクロの“既製品+団体向け”という切り口が新たな潮流を生んでいます。
- 「安く/早く/機能的」に制服を揃えたい学校・企業にとって、ユニクロUNIFORMは魅力的な選択肢です。
- 一方で、伝統・ブランド・カスタマイズ性・体型対応などの観点から、従来の制服屋・オーダー型制服との住み分け・調整も必要になってきています。
- 今後は、学校・企業が制服を“固定費項目”から“戦略的ツール”として捉え、「どんな制服で、どんな価値・イメージを出すか」が問われる時代になってきそうです。
もしあなたが、
- 学校関係者・保護者として「どんな制服を選ぶべきか」検討中、
- 企業・団体としてユニフォームを見直したい、
- あるいは生徒・学生として「制服をユニクロにしてほしい/してもらいたい」
と考えているなら、今回のユニクロの動きは“選択肢そのものを変える”可能性があるという点で注目です。

引用・参考URL
- ユニクロ「UNIQLO UNIFORM」プレスリリース (2025年9月2日) https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/corp/press-release/2025/09/25090215_uniform.html UNIQLO
- PR TIMES:「あらゆる人に、…法人・団体向けサービス「UNIQLO UNIFORM」事業を大きく拡大」 https://www.prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000068741.html プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
- TBSニュースDIG:「ユニクロ「ユニフォーム事業」本格展開 会社の作業着や学校制服も」 https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2145275 TBS NEWS DIG
- WWD Japan:「ユニクロもユニホーム事業強化 通常商品をベースにした手軽さが売り」 https://www.wwdjapan.com/articles/2196795
- 埼玉県さいたま市立大宮北高校のユニクロ制服導入事例 https://www.ohmiyakita-h.ed.jp/life/seifuku-2/


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